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2008年3月15日更新

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不殺生(平成19年1月号)

 この身今生より未来際を盡すまで、十善のみ教えを守り奉らむ、

 弟子某甲 盡未来際不殺生 不偸盗 不邪淫 不妄語 不綺語 不悪口 不両舌 不慳貪 不瞋意 不邪見

 真言宗の仏前勤行次第には、このような十善戒があり、私達の日常生活の中でつい犯し勝ちな十種類の項目を掲げて戒めておるのです。

 これについて折りに触れ、順次説明して行きたいと思います。

 今日は最初の不殺生戒についてです。

 不殺生とは、これを意訳すれば、「ことさらに生きものを殺すべからず」と云うことになりましょう。

 真言宗には、折祷する時や、修験者が山路を行く時、杖にして歩く錫杖という法具があり、振るとこの様な音がします。

 お釈迦様が祇園精舎を建てて、多くの弟子達を宿泊修行させた時のこと、精舎の周辺に蛇や蠍が多く出没して、弟子達を困らせました。

 「これではオチオチ勉強も出来ないから、片っ端から殺して仕舞いましょうか」と云う弟子達に、「いやいや蛇や蠍と雖もこの世に尊い生命を受けたもの、無闇に殺してはなりません」と云って、お釈迦様は錫杖を考案して弟子達に与えました。

 蛇や蠍は、この音を聞いて逃げたため殺されずに済んだのです。

 日本では平安朝の頃から放生会と云う儀式を行ない殺生を戒めています。

 生き物を放して生かすことから放生と云うのです。

 私達は日常、魚や獣を食用として食べていますが、考えてみればこれ程罪深いことはないのです。

 文明の進んだ現代こそ、多くの命を大量に殺していることに気付いて、犠牲となっている生き物の供養をする必要があるのではないでしょうか。

 肉屋さん、魚屋さん、鰻屋さんなどが放生会を行って供養することそのことが、商売繁昌につながるのも、ここに意味があるのです。

南無大師遍照金剛