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2008年3月15日更新

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不偸盗(平成19年2月号)

 今回は十善戒のうち不偸盗戒についてお話します。

 偸盗とは他人の財物を盗む罪のことですが、お釈迦様の時代からウパカやダイバなどの悪人がいたように、浜の真砂と盗人の種は尽きないのでありましょうか。

 総持寺の貫主石川素堂和尚が、ある時檀家の老婆から
「うちの息子はヤクザ者で、先祖伝来の田畑を売り払おうとしています。何とかお説教して下さい」
と頼まれました。

 そこで和尚は息子を呼び、
「お前が売ろうとしている畑には先祖からの宝物が埋められている。それを安い値で売るなんて馬鹿な事をするな」
と悟しました。

 すると息子は夢中になって、その畑を端から端まで掘り返したが何も出て来ません。

 「この和尚め、俺をだましゃがったな」
と寺へ怒鳴り込んで来た息子に和尚は、
「そうか、それならその畑へ麦を蒔いてみろ」
と教えました。

 息子はしぶしぶ和尚の云うとおりにしたところ、麦は美事な豊作となり、それから息子は面白くなって百姓に精を出すようになりました。

 和尚は先祖の残してくれた財産の有難さを身を以て教えたのであります。

 小中高校生の非行のトップは窃盗、万引です。

 学校では処罰することで指導に当たることが多いのですが、依然として後を絶たないのは何故でしょうか。

 一つは物質万能の世の中の風潮が原因でありましょうが、物と心の関係を通して、物の有難さや感謝の心を教えることの少ない今の教育に最大の原因があることを知るべきであります。

南無大師遍照金剛