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三ツ児の魂百まで(平成19年6月号)

 毎日うっとうしい天気が続きますが、乳幼児のいる家庭では、このうっとうしい天気で外出できずにご苦労の事と存じます。

 そこで今日は、以前読んだソニーの社長 井深大さんの講演記録の中から『三ツ児の魂百まで』というお話をします。

 人は生まれながらにして仏性を具えた仏の子であればこそ、子供は子宝と云われるのでありますが、これに反して最近の世の中はどうでしょうか。

 科学の進歩に伴い、体外受精やら人口流産薬の発明などが現実化している反面、家庭や学校に於ける子供の暴力事件の流行を見るにつけ、背筋の寒くなる思いがします。

 井深さんの話を綜合すると、人の性格は遺伝より環境の影響の方が大きく、妊娠中のお母さんの胎教と、出産後1ヵ年までのお母さんが与える影響が子供の性格を決定づけるということです。

 妊娠中、睡眠剤やレントゲン、酒、煙草等が胎児に与える悪影響は、あのサリドマイ児の例でよく知られているとおりです。

 生後3ヵ月までをクリティカルポイントと云って、赤ちゃんの能力の育つ境界点であり、お母さんが抱きしめて与える母乳の影響力はまことに大きいのです。

 それから、生後1ヵ年をクリティカルピリオドと云って、赤ちゃんの頭脳が一番成長する時期です。

 この間、くり返しくり返し躾けることが、その子の一生を支配すると云っても過言ではありません。

 この時期にお母さんの愛情を受ける事ができなかった子供は、總てのことに満足する機能が育たず、これが暴力、非行の根源となっているのです。

 脳の仕組みが真言の曼荼羅によく似ていて、左脳は知的役割を司り、右脳は感性的役割を司り、両者が無数の神経で感応しているのも、仏教の不思議な知恵を感ずるではありませんか。

 戦後の教育は、いつの間にか知的に偏重し、感性や心の教育を忘れて来ました。

 その結果、偏った人間が多いのです。

 心の教育を最も必要とするのも、生後3ヵ月から5ヵ月の間なのですから正しく三ツ児の魂百までですね。

 ではまた。

南無大師遍照金剛