光明寺 佐光慈豊和尚のテレホン法話
お寺のカウンセリング(平成19年9月号)
- いつの日か「常在布教」の看板を掲げてから、住職として何時でも来寺者に応対できるよう心掛けております。
と云うのは、大師や観音の霊場となっているので巡礼者への接待が欠かせないからです。
そして接待とは、何かを考えみると、巡拝者の心の悩みや願いを聞いてあげることだと気付いたからであります。
来訪者には出来るだけ本堂に上がって参拝して頂き、その間に納経帳に自ら墨書押印しながら参拝者を観察し「ご苦労さまです」と声を掛けますと、反射的に心を開いてくれる方が殆どです。
「実は教えて頂きたい事があるのですが」と若い男性「何でしょうか」と私。
「子供を作っていいかどうかと云うことです」と。
あまりに唐突な質問なので答えに窮していると、「車の中には新しい妻が居るのですが・・・去年子供を置いて妻が家出し、私はバツイチで再婚したのです」と云う。
どんな理由で家出したのかは敢えて聞きませんが、子供が新しい母に馴染めないで困惑している様子が分かります。
「それは心配ですね」と云いながら手にした納札を見ると願意の箇所が空白になっています。
受付所には納札を用意して置き、住所・氏名・年齢・願意を記入して納札箱に納めて頂き、毎月21日に一括ご祈祷することにしているからです。
「この中から選んでお書き下さい」とご祈祷申受け一覧表を見せますと、男性はすかさず虫封じ子育てを選んで記入しました。
「子供は授かりものですからね心配無用です。
授かったら二人共大事に育ててください」と云いますと「有難うございました」と安心して車に乗り込みました。
寺の住職にカウンセリングの技術が必要と云われていますが、私は教員時代の教育相談を思い出し、秘密を重んじ乍ら心を開いて貰うにはこんな方法が良いと実施しているのです。
けれども真言密教の寺として相談の中心には加持感応の三力を願い祈っております。
以我功徳力・如来加持力・及為法界力
南無大師遍照金剛